車のタイヤは「性能」「安全性」「快適性」を実現するものです。
安全性に関しては最も重要な部品がタイヤです。
たった4本で搭乗者の命を守っています。
タイヤと路面の接地面はハガキと同じです。
こんな小さな接地面で命を守っているんです。
僕はトヨタのディーラーで自動車整備士としておよそ30年間働いていました。
たくさんのお客様にタイヤの重要性を伝えてきました。
タイヤの点検(日常点検)
日常点検という言葉を聞いたことがあると思います。
自動車学校で勉強した日常点検のことです。
と言われてもそんなこと忘れてますよね。
なんとなく聞いたことあるけど、なにを点検するの?となると思います。
実は日常点検は法律で定められた点検なんです。
ですが、乗用の場合は法律を破っても罰則がないので、日常点検をやらない人が多いです。
※事業用自動車の場合は道路運送車両法第110条(30万円以下の罰金)が適用されます。
日常点検は車の故障や大きなトラブルを未然に防ぐとても重要な点検です。
日常点検は3つのステップで10項目を点検します。
点検の詳細は点検チェックシートを確認してください。
国土交通省が発行しているチェックシートです。
日常点検チェックシート
チェックシートにはタイヤの点検が3つあります。
タイヤの点検は日常点検の中で最も重要な点検です。
タイヤに異常がある場合は大変危険です。
タイヤは4本で車を支えているのと同時に人の命も4本で支えています。
大切な車を守るため。自分たちの命を守るため。日常点検は実施しましょう。
タイヤの空気はどれだけ入れる?
タイヤの空気圧の基準値は車種ごとに違います。
メーカーが指定している空気圧に設定しましょう。
空気圧の基準値は、取扱説明書もしくは運転席ドア付近に記載してあります。
タイヤの空気が基準値でないと、燃費の悪化・バースト・早期摩耗・偏摩耗につながります。
たとえば、自転車の空気が少ないとき重く感じたことがありませんか?
それと同じで、空気が少ないとクルマも苦しみながら走っているんです。
タイヤ本来の性能を活かすためにも月に1度は空気圧を点検しましょう。
窒素ガスってなに?
カーショップなどで「窒素ガス」は有料で充填しています。
通常タイヤには大気中の空気を充填します。
その大気中の空気の代わりに窒素ガスを充填します。
では、窒素ガスを入れるとどうなるのでしょうか?
窒素ガスは大気中の空気と比べると、分子レベルが大きいのでタイヤの空気が漏れにくいです。
よって、タイヤの空気が減りにくい。空気圧の変化が少ないということなります。
カーショップなどでは、窒素ガスを入れると
①エアーが抜けにくい
②燃費が良くなる
③乗り心地が良くなる
④走行中の騒音が静かになる
などと言われていますが、実際のところは①のエアーが抜けにくいが正解です。
②③④は間違いではありませんが、結果的に多少良くなるということです。
僕はタイヤの空気は大気中の空気で十分だと思っています。
その理由は、大気中の空気はおよそ
「窒素が80%」で「酸素が20%」なんです。
普通に空気を充填すれば、自然に80%の窒素が入るのです。
お金を払ってまでやらなくてもいいような気がします。
しかも一般的な窒素充填では真空状態から充填しないので100%にはならないです。
通常の空気で、こまめに点検をすれば良いかなと僕は思っています。
また、レースの世界では窒素ガスを入れるのが常識とよく言われます。
しかし、実際のレースでは窒素ガスを使っていません。
「ドライエアー」と言って、水分のない空気をタイヤに充填します。
このドライエアーもいずれは窒素ガスに変わって有料で充填という商品になるかもしれませんね。
通常の空気・窒素ガス・ドライエアー、
いずれにしても安全のためにタイヤの空気圧はこまめに点検しましょう。
まとめ
タイヤは、たった4本で車を支えています。
タイヤと路面の接地面はハガキと同じです。
こんな小さな接地面で人の命を守っています。
そうやって考えると一番お金をかけたほうが良い部分かもしれませんね。
日常点検をこまめにやって安心して快適なドライブに出かけましょう。
最後までお読みいただきありがとうございます。
元自動車整備士の豆知識はシリーズ化しています。
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